正直に言います。
このタイトル、最初に見たとき身構えましたよね?
わかります。でも、ちょっと待ってください。
本作は確かに下ネタをメインとしたギャグマンガ…しかし蓋を開けてみると——そこにあるのはいやらしさはちょびっと、ほんわかラブコメディの世界でした。位置原光Z先生の短編集『お尻触りたがる人なんなの』。タイトルで損しているかもしれない。
『お尻触りたがる人なんなの』とは?
作品基本情報
作者 位置原光Z
出版社 白泉社
掲載誌 楽園 Le Paradis
発売 2015年5月
表題作は「お尻を触りたがる先輩」と「全力かつ理詰めで拒否する後輩」の日常ギャグ。設定だけ聞くと不審案件に思えますが、読んでみるとなぜか微笑ましい。
これが位置原光Z先生マジックです。
妙に強いこだわりを持つキャラクターたちが全力でぶつかり合い、会話はどんどんズレていく。それなのに嫌悪感は一切なく、むしろ「青春のワンシーン」として愛おしく見えてくる——この不思議な読後感が、本作の最大の魅力です。
脳が溶ける!本作に狂う3つの見どころ
エロさゼロ!不条理すぎる爆笑の会話劇
タイトルのインパクトで警戒している人に、まず伝えたいことがあります。
この漫画、いやらしくないです。本当に。
あるのは「会話のドッジボール」とでも言うべき、テンポ鬼速のズレた掛け合いです。先輩が変なことを言う。後輩が本気で論理的に反論する。また先輩がズレた返しをする。そのループが1〜4ページで完結する——この構造が恐ろしく完成されています。
下ネタの果てに垣間見える「妙なピュアさ」とキャラの可愛さ
本作の不思議なところはここです。
テーマや設定だけ聞くとアウトっぽい。でも読むと、登場人物がなぜか全員ピュアに見えてくるんです。
先輩は変なこだわりを持っているけれど、邪念がない。後輩は論理的に拒否しながら、どこか先輩のことを受け入れている。このふたりの間に漂う「妙な信頼感」と「バカバカしい熱量」が、なんとも言えない愛おしさを生み出しています。
読後に「なんかいいな、この関係」ってなるのが、また不思議なんですよね。
こんな女の子いねーよ!と思いつつももしかしたらどこかにいるかもと錯覚するくらいです。
サクッと読めて満足度が高い!圧倒的なショートショートの完成度
本作はほとんどが1〜4ページの超短編で構成されています。
この短さ、侮るなかれ。
1話で起承転結が完全に完結して、オチまで決まる。それでいて余韻まで残る。この密度は、普通の漫画では出せない位置原先生だけの技術です。
「5分の隙間時間に1話読む」が最高に心地よい。でも気づいたら10話読んでる——この中毒性が本作の罠です(褒め言葉)。
こんな人におすすめです
頭を空っぽにしたい人
隙間時間に読みたい人
シュールなギャグが好きな人
サブカル・カルト漫画好きな人
まとめ
タイトルが気になったあなた、その直感は正しいです。
でも、その先にあるものを見逃すのはもったいない。
笑いのテンポ、セリフのセンス、ピュアなキャラクターたちの関係性——すべてが高水準で噛み合った、位置原光Z先生の真骨頂がここにあります。
読めば読むほど「こういう漫画が読みたかった」という気持ちになる、手遅れ注意の傑作です。
ぜひ1話だけ、試してみてください。気づいたら全部読んでますよ、きっと。


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