異世界転生もので、主人公が本気になる理由が**「温かい風呂に入りたいから」**。
こんなにくだらなくて、こんなに尊い理由、他にありますか?
『バスタード・ソードマン』(漫画:マスクザJ/原作:ジェームズ・リッチマン)第4巻。
シリーズ累計30万部を突破し、今や全巻重版出来という人気ぶりですが、その理由は読めば一瞬でわかります。**世界を救う使命感もなければ、ハーレムを作るギラギラ感もない。**ただ、本当にだらだらと、心地よく生きているだけ。
なのに、これがめちゃくちゃ面白いんです。今回は4巻購入したのでレビューしていきます。
4巻のあらすじ:至福の入浴権を賭けた任務と、春を告げる未亡人の魔法使い
主人公は、おっさんギルドマンモングレル。
それなりに強力な能力を授かって異世界に転生したものの、成り上がりにも無双にも興味なし。彼が愛用するのは、ショートソードほど扱いやすくなく、ロングソードほどリーチもない、中途半端な長さの「バスタードソード」。何でもできて、何にもできない。そんな剣がよく似合う、肩の力が抜けた男です。
4巻で彼が本気になる理由は、たった一つ。
異世界で最も得難いもの——それは「温かい風呂」。
入浴の権利と引き換えに、モングレルは美少女パーティ「アルテミス」と貴族を伴って、ある意味最も過酷な任務へ向かうことになります。
そして物語は季節を進め、春へ。王都からモングレルをよく知る未亡人の魔法使いがやってきて、彼の過去や人間関係に新たな風が吹き込まれます。
ページをめくる手が止まらない! 4巻がファンを最高に唸らせる3つの見どころ
【見どころ①】異世界で最も得難い「温かい風呂」に命をかけるおっさんの愛おしさ
最強クラスの実力を隠し持つ男が、世界の危機にも興味を示さず、「お風呂のためだけに」本気になる。
このギャップが、もう最高なんです。
普段は適当に力を抑えて、目立たないように生きているモングレルが、入浴権という超ささやかな目標のために、しっかり真剣な顔をして任務へ向かう。
その姿の脱力感とカタルシスの両立こそが、この漫画の真骨頂です。「そんなことのために本気にならなくても」と思いながら、結局一番楽しく読んでしまう。これぞ『バスタード・ソードマン』の魅力です。
【見どころ②】新展開の予感!? 王都から来た「未亡人の魔法使い」とモングレルの過去
4巻では、新キャラクター・未亡人の魔法使いが登場します。
彼女はモングレルのことをよく知る存在。彼女が王都からやってくることで、これまで深く語られなかったモングレルの過去や人間関係に、新しい風が吹き込まれます。
巻末には描き下ろし漫画**「未亡人様は魔法使い」**も収録。ここでしか読めない掘り下げがあるのも嬉しいポイントです。
もちろん、相変わらず可愛い「アルテミス」の面々——後輩ギルドマンのライナたちも健在。新たな人間関係の風が吹きながらも、いつものメンバーたちとの心地よい空気感は変わりません。今後の展開へのワクワク感が、じわじわ高まっていく一冊です。
【見どころ③】これぞ真骨頂! スケベ雑学から真面目な仕事まで、ブレない「だらだら日常劇」
4巻には、こんな話のタイトルが並びます。
「何も発生しないチュートリアル」「失われた日常」「幻のフランスパン」「第1回熟成生ハム猥談バトル」「世直しモングレルさん」。
このタイトルの並びだけで、もうこの漫画のスタンスが伝わってきますよね。
くだらない雑談に、1話を丸ごと使う贅沢さ。普通の漫画なら削られてしまいそうな「スケベ雑学バトル」のようなエピソードを、ここまで丁寧に、愛情を持って描く構成力が、マスクザJ先生の凄さです。
そしてその合間に、ちゃんと仕事もする。任務にも向き合う。ブレずに「だらだら」を貫きながら、ちゃんと格好いいところも見せる——このバランス感覚が、モングレルというおっさんキャラクターの渋さを成立させています。
量産型ファンタジーとは一線を画す、みんな愛せる「世界観の心地よさ」
『バスタード・ソードマン』が他の異世界ものと一線を画すのは、敵も味方も、誰も嫌な気分にさせない世界観にあります。
モングレルは強さを誇示しないし、周囲のキャラクターたちも変に意地悪だったり邪悪だったりしない。ただ、それぞれが自分のペースで日常を楽しんでいる。
その心地よさが、4巻でも変わらず続いています。読んでいる間、何も気を張らずに済む安心感——これこそが、シリーズ累計30万部を突破した最大の理由なのだと思います。
まとめ:読めば絶対に肩の力が抜けて癒やされる
風呂のために本気になるおっさん。新しい縁をもたらす未亡人の魔法使い。くだらない雑談に1話使う贅沢な構成。
『バスタード・ソードマン』4巻は、これまでの魅力をそのままに、少しずつ深まっていく人間関係の予感も味わえる一冊です。
読めば絶対に肩の力が抜けて癒やされる。全巻重版出来も納得の、今すぐ読むべき傑作です。
漫画:マスクザJ/原作:ジェームズ・リッチマン/キャラクター原案:マツセダイチ『バスタード・ソードマン』第4巻(電撃コミックスNEXT)


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